星空のカラス
星空のカラス。モリエサトシ先生による漫画。全8巻。囲碁漫画!
花ゆめには珍しい囲碁漫画。連載当時雑誌で読んでて、途中から雑誌買わなくなったのでコミックスで追いかけました。囲碁はヒカ碁の影響でやってたので(ゲームだけ!激弱!)好きな題材だしモリエサトシ先生の漫画も好きだったので好き×好きの組み合わせで私得。今改めて読み返しても魂が震えるとても良い作品だなぁと思いました。囲碁7割恋愛3割くらい?割合少ないだけでちゃんと恋愛もあるよ!!3月のライオンを読んで棋士の生き様にもっと触れたい方は是非。
この作品の一番の良さは画面の表現かなぁと思ってます。キャラクターたちが魂を削りながら、苦しみながら、それでも囲碁を打たずにいられない。ドロドロでキラキラで、苦しくて楽しくて。囲碁にしろ将棋にしろなんにしろ、キャラクターが自分の全てをかけて打ち込む姿を見たとき、その空気に埋もれて自分の息も深く吸えなくて同じ気持ちになれる。そういう時に良い作品に出会えた〜っていつも思います。そんな作品です。ただの少女漫画と思うなかれ。作者の魂も一緒に削れてるのも感じます。前に3月のライオンの巻末書き下ろしかなんかでも羽海野チカ先生も言ってたような気がするけど(魂削ってる云々)。そういう自分を削って書かれた作品ってなんでこんなに心惹かれるんだろうねぇ…漫画に魂が宿るんだろうねぇ…。すごい…。だから漫画って好き…。
登場キャラクターも勿論みんな魅力的!1番のおすすめは主人公・和歌の幼馴染のはーちゃん。花ゆめ好きな人ははーちゃん一番好きだと思う(偏見)。好きなシーンは無限にありますが、和歌と鷺坂が二人で新しい棋風に挑戦するときに手を繋いで電車に乗ってるシーン。お互いに支え合ってるというか倒れないようにし合ってる感じが危うくて好き。イチオシエピソードは飯塚さんの話。恋愛ではなく囲碁にかける想いの方。凡人故の苦悩と凡人が故に出来る事。飯塚さんは良い男です。あとこのエピソードでじいさんの想いも語られてます。あー、って感じ。だからといって幼男にはもっと優しく接しなさいと言いたい。
余談ですが、昔最終回迎えた頃にTwitterでモリエ先生に「作中の対局の棋譜は全部作ってあるんですか?」的なことを聞いたら「要所要所だけ作ってて全部は作ってない」とのこと。そりゃ全局作ってたら時間も無くなるしストーリーも作り切れないよなぁ。休載量が半端なくなりそう。